広辞苑 第七版

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特色

特色

  1. 第七版の
    特長
  2. 新加項目
  3. ここが新しく
    なりました
  4. 旧版との
    比較
  5. コラム

第七版の特長

10年ぶりの大改訂。充実の最新版、満を持して登場

各界第一線の専門家が執筆

第六版に収録されている項目を分野ごとに抽出し、各界の専門家が全面的に校閲。文学・歴史から物理学・医学、美術・音楽に武芸・茶道、スポーツ・サブカルチャーまで、学問の研究の進展や最新の動向を反映し、また旧版の不備を補うなどして、より正確で簡潔な解説に改めました。一方、現代生活や各分野の理解に必須の言葉を新たに選定、執筆していただいています。

言葉の変化、意味の違いをみつめる

世の中の激しい動きにともない、言葉の意味も変化していきます。新しく生じた意味は、その定着度を吟味しながら過不足なく加えました。また、言葉を発信する機会が増え、それぞれの言葉の意味を的確に把握し表現したいというニーズも増しています。動詞・形容詞を中心に類義語の意味の違いが分かる語釈を追求しました。

日本語の基礎を見直す

言葉の根本の意味をきちんととらえた上で、歴史的な意味変化に沿って語釈を与えるのが『広辞苑』の流儀。その基本に立ち返り、「万葉集」「源氏物語」など古典から引用した用例を総点検しました。その結果、基礎語の語釈を全面的に書き換えたり、見出しの形を改めたりした例も少なくありません。その他の古語項目もさらに充実させました。

新たに一万項目を追加

第六版刊行後に収集した言葉に加えて、旧版までは採用しなかった言葉もあらためて検討し、日本語として定着した語、または定着すると考えられる言葉を厳選。新加項目は約一万に達しました。ネットで何でも検索できる時代だからこそ、言葉の使用場面を越えた中心的な意味を一読して把握できるように、余分な言葉をそぎ落とし洗練した語釈を付しました。

用紙・造本の質をさらに向上

第七版の本冊は第六版よりも一四〇ページ増加、しかし厚さは変わりません。製本機械の限界である八㎝に収まるように、さらに薄い紙を開発した結果です。しかも、手に吸い付くような、めくりやすい「ぬめり感」は保持したまま。これを高度な印刷・製本技術で一冊にまとめています。大型の「机上版」は、多くの方からご好評をいただいている二分冊です。

特に力を入れた分野の例

  1. 明治以降の近代の用例を大幅に増補。文学作品のほか、新聞記事で使われた例も多く収録。
  2. 地震・火山噴火・豪雨などによる自然災害や地球への関心の高まりに応じて、地球科学・気象・海洋関連語を充実。
  3. 宇宙誕生から人類誕生までの研究の進展を反映。
  4. インターネットやSNSの普及により、日常生活で多用されるようになったIT用語・ネット用語を重視。
  5. 医学・薬剤関係の言葉が検索される機会が増えていることを受けて、病院や薬局でよく耳にする用語を増補。
  6. 遺伝子解析にもとづいた生物の系統関係の見直しに対応。動植物の分類は大幅に見直し、植物では伝統的な旧体系での分類も併記。
  7. 世界遺産、伝統的建造物群保存地区、各地の城郭など、史跡や旅行関係の地名を充実。
  8. 料理・スポーツ・ポピュラー音楽・アニメなど日ごろ身近な分野も重視し、大幅に項目を増補。

新加項目10000より

21世紀の今を映す 新たに追加された項目

広く使われ日常語として定着した言葉。今という時代を読み解くために将来不可欠と考えられる言葉。社会の状況を顕著に映し出す事項や人々……。新しく加える項目は、慎重に検討を重ねて選りぬきました。

現代語

  1. 朝ドラ
  2. 安全神話
  3. いらっと
  4. 上から目線
  5. お姫様抱っこ
  6. 価格帯
  7. 可視化
  8. がっつり
  9. 加齢臭
  10. 口ぱく
  11. 小悪魔
  12. ごち
  13. 小腹が空く
  14. 婚活
  15. 雑味
  16. 直箸
  17. 自撮り
  18. 勝負服
  19. 白物家電
  20. 戦力外
  21. 卒乳
  22. 立ち位置
  23. ちゃらい
  24. 名ばかり
  25. 乗り乗り
  26. 万人受け
  27. 美品
  28. 惚れ直す
  29. まかない料理
  30. 無茶振り

カタカナ語

  1. アプリ
  2. イップス
  3. エコバッグ
  4. カルチャースクール
  5. キーマカレー
  6. キャリーバッグ
  7. クールビズ
  8. クラウド
  9. グランドデザイン
  10. クリアファイル
  11. コインパーキング
  12. サプライズ
  13. スピンオフ
  14. スマホ
  15. スルー
  16. チュロス
  17. ツイート
  18. デトックス
  19. ドクターヘリ
  20. ネイルサロン
  21. ハニートラップ
  22. バリスタ
  23. パワースポット
  24. ビッグマウス
  25. フードコート
  26. ブロガー
  27. メアド
  28. リスペクト
  29. リマインド
  30. レジェンド

人文・社会

  1. アラブの春
  2. イスラム国家
  3. ウィキリークス
  4. LCC
  5. LGBT
  6. 大阪取引所
  7. 沖縄返還密約
  8. オスプレイ
  9. 革新自治体
  10. 強制起訴
  11. 限界集落
  12. 健康寿命
  13. 再帰性
  14. 殺処分
  15. 指定難病
  16. 消費者庁
  17. 戦争遺跡
  18. 庭前の柏樹子
  19. ねじれ国会
  20. 八角墳
  21. ハラーム
  22. 東日本大震災
  23. ビットコイン
  24. ブラック企業
  25. ふるさと納税
  26. 法テラス
  27. マタニティー‐ハラスメント
  28. 民間軍事会社
  29. 雇い止め
  30. 四つの口

科学・自然

  1. iPS細胞
  2. アメリカン‐ショートヘア
  3. AED
  4. エピジェネティクス
  5. 化学物質過敏症
  6. 顎関節症
  7. 熊本地震
  8. ゲノム編集
  9. ゲリラ豪雨
  10. 再生医療
  11. シェール‐ガス
  12. 腫瘍マーカー
  13. 燭台大蒟蒻
  14. 新型インフルエンザ
  15. 真正双子葉植物
  16. 鈴木カップリング
  17. スタチン
  18. スノーボール‐アース
  19. スピノサウルス
  20. ディープ‐ラーニング
  21. ニホニウム
  22. ネオジム磁石
  23. 年縞
  24. はやぶさ
  25. パンデミック
  26. ブレーン宇宙論
  27. ミラー‐ニューロン
  28. ラミダス猿人
  29. 量子暗号
  30. ロコモティブ症候群

人名

  1. 赤塚不二夫
  2. 植田正治
  3. 宇沢弘文
  4. 梅棹忠夫
  5. 永六輔
  6. 加藤周一
  7. 川上哲治
  8. 大鵬
  9. 高倉健
  10. 立川談志
  11. つかこうへい
  12. 鶴見和子
  13. 勅使河原宏
  14. 土井たか子
  15. 土光敏夫
  16. 戸塚洋二
  17. 中内功
  18. 南部陽一郎
  19. 原節子
  20. 文在寅
  21. 劉暁波
  22. アレクシエーヴィチ
  23. オバマ
  24. (ピエール)カルダン
  25. (マイケル)ジャクソン
  26. (スティーヴ)ジョブズ
  27. スピルバーグ
  28. チャスラフスカ
  29. (ボブ)ディラン
  30. ベッケンバウアー

地名

  1. 美瑛
  2. 上北
  3. 浜通り
  4. 三陸復興国立公園
  5. 渡良瀬遊水地
  6. 白岡
  7. 富岡製糸場
  8. 東京スカイツリー
  9. 神楽坂
  10. 西之島
  11. 伊根
  12. 熊野古道
  13. しまなみ海道
  14. 軍艦島
  15. 口永良部島
  16. 識名園
  17. 今帰仁城(なきじんグスク)
  18. 渡嘉敷島
  19. 新北
  20. 西沙群島
  21. ハロン
  22. 金角湾
  23. サマワ
  24. ヨーク
  25. コッツウォルズ
  26. アマルフィ
  27. 黄金の環
  28. デナリ
  29. ケイマン諸島
  30. 南スーダン

日本語の足もとを見すえ、日本語の将来を展望する

基礎語の意味を的確に

日本語の基礎的な言葉の意味を分析しなおし、類義語(似た意味の言葉)との意味もすっきり分かるようにしました。


新しい語義を追加

昔からある言葉でも、時代とともに意味が広がることがあります。たとえばこんな言葉に新しい意味が加わりました。


社会が変われば解説も変わる

第六版刊行からの10年間で世の中が大きく変わりました。それにともなって辞典の解説もアップデートしています。


理解を助ける図版も増加

写真以上に、その事物の特徴を抽象化して分かりやすく示すことができるのが線画です。ある図版は描き直し、ある図版は新たに追加しました。

旧版との比較

こんなに変わった!? 語義の変遷

例えば「パンダ」という項目では……


引きやすさ、分かりやすさもこんなに進化

初版をご愛用の方へ──

初版では、「おおかみ(狼)」は「おうかみ」という仮名見出しで掲載しています。「おおかみ」も「おうさま(王様)」も最初の「オー」の音は同じなので、同じように引けるようにとの考えによるものでした。今では学校で習う「現代仮名遣い」がすっかり定着したため、「おおかみ」が見出し表記となっています。

二版・二版補訂版をご愛用の方へ──

二版までは、動詞は文語形が主項目になっています。つまり「上げる」ではなく「上ぐ」、「満ちる」ではなく「満つ」に意味が書いてあり、「上げる」「満ちる」は参照用の見出しです。文語形を思いつかなければ、引く手間が二度になってしまいます。今はもちろん「上げる」「満ちる」に意味が記述されています。

三版をご愛用の方へ──

「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」は現代の日本語では同じ発音です。三版までは、それらをすべて「じ」「ず」で引けるようにと考え、「鼻血」は「はなじ」、「三日月」は「みかずき」を見出しとし、そこを引くと「はなぢ」「みかづき」という仮名遣いが分かる仕組みになっていました。今は、現代仮名遣いの「はなぢ」「みかづき」が見出しになっています。

四版をご愛用の方へ──

「明ける」「開ける」「空ける」など同訓の漢字の使い分けは迷うものです。四版までは語義番号の下に《 》で大まかな書き分けを示していましたが、五版からは項目末尾に「◇」でコラム的な解説を設けています。また、日常的に使われるアルファベット略語が急増しています。五版からは付録にその一覧を付け、現在は別冊化してさらに充実しています。

五版をご愛用の方へ──

解説文を見ると「変る」「落す」などという送り仮名が目につきませんか。内閣告示「送り仮名の付け方」によれば、「変わる」「落とす」(本則)、「変る」「落す」(許容)のどちらも間違いではありませんが、学校で習うのは「変わる」「落とす」。「許容」の送り仮名に違和感を覚える方が増えたので、第六版からは「本則」に変更しました。


その他にも、版を重ねるごとに変わってきた見出しや解説の数々

  1. 「サッカー」は、初版では「ア式蹴球」で解説されており、「サッカー」は「ア式蹴球」への参照用の見出しでした。
  2. 「バレンタイン‐デー」は第二版から掲載されていますが、チョコレートに関する記述が加わったのは第六版から。
  3. 当初は東海道新幹線だけだった「新幹線」は、開通した路線が増えるたびに『広辞苑』の記述も次々と変化。第四版では「国鉄」から「JR」になったという変更も。
  4. 「ペンギン」は、項目としては初版からありますが、第七版ではアデリー、エンペラー、キング、フンボルト、イワトビなど各種を項目として立てました。
  5. 句作をなさる方にご重宝いただいている「季語」マーク。これを初めて付けるようになったのは第四版で、その後も少しずつ増やしています。

コラム

確認してみませんか? 本来の意味